「入院・手術の費用が払えるか不安・・」「予定外の入院に、お金が無くなった」
人生は『まさか』の連続。
昨日までは病気なんて気にもしていなかったのに、自分や家族が突然の病気で、手術や入院を余儀なくされた時、万全の治療を受けたいし受けてもらいたいですよね。
今回は入院経験10回以上の筆者が、入院費用の抑え方、また利用できる公的な医療制度など、知って得する情報をどこよりも詳しく、わかりやすくまとめていきます!
公的な補助はわかりにくく、知っていないと損してしまうことも多々あります!(実際に私も損した経験があります・・・)ぜひ使えるものはバンバン使って、賢く・安心して入院関連費用を抑えていきましょう!
また入院費用に限らず、お金がない!という場合は以下の記事も参考にしてください!
絶対に知っておきたい公的医療制度
知っておきたい公的な制度①:高額療養費制度を利用する
月の初めから終わりにかかった費用が、一定額を超えた場合に、超えた金額が戻ってくる制度を利用しましょう。
高額療養費いくら給付されるかの試算は、以下のサイトで行ってみてください。
ただし1点気をつけたいのが、高額療養費にならず自己負担になるものです。
以下のものは高額療養費の計算には入りません。
- 食事
- 差額ベット代
- 先進医療・先進技術(一部の抗がん剤・がん治療など)
こちらは医療費には入らないため全額自己負担となります。
また入金までの期間は基本的に申請してから約3か月ほどです。
申請してから支払いまでに、時間がかかるためもし金銭的に余裕がない場合は、以下の②と③を検討しましょう。
申請に必要なもの
- 高額療養費の支給申請書
- 医療機関の領収書 ※各公的医療保険によって異なる
が必要です。また高額医療費請求は2年間が期限なので、過去に高額療養費の請求の可能性がある場合は早めに対処しておきましょう。
2年過ぎるとその前の療養費は請求できなくなってしまいます。
基本的にすぐに申請書を書いて、すぐに提出が基本だね。
知っておきたい公的な制度②:高額療養費貸付制度を使う
突発的な怪我や、急遽の手術病気の時に知っておきたい制度です。
窓口負担をへらすためには、知っておきたい公的な制度③で紹介する限度額認定証を使うのがベストですが、急な場合は対応できないので貸付制度を使い対応しましょう。
高額療養費貸付制度とは、窓口支払いの資金として高額療養費の見込み額8割~9割を無利子で貸してくれる制度です。
入院は医療費以外にも、大黒柱が入院すると生活費なども多く必要になったり、突発的に出費が増えるため貯金を切り崩す前に貸付制度を利用してください。
申請に必要なものは
- 高額医療費貸付金貸付申込書
- 高額医療費貸付金借用書
- 医療機関等が発行した保険点数のわかる請求書もしくは領収書のコピー
- 高額療養費支給申請書(貸付用)
の4つです。医療機関の領収書をなくしてしまった場合は、医療機関にその旨を相談し「医療費請求書」を再度発行してもらいましょう。
貸付金が支払われるのは申請してから2週間~3週間後です。またこの貸付金は高額療養費と相殺にされ、余った金額が高額療養費の残りとして口座に振り込まれます。
とりあえず、急な病気・怪我でかつ高額の医療費の支払いの目処が立たない場合の応急処置!と覚えておこう!!
知っておきたい公的な制度③:限度額適用認定証を使う
窓口での支払いを減らす制度を利用しましょう。
上記で紹介した高額療養費制度を利用する場合、超えた金額は戻ってきますが一度は窓口で全額支払いをしなくてはいけません。
ただ自分の加入している公的医療保険から「所得区分」の認定証をもらっていると、一度窓口で支払うという手間が省け、医療機関が直接一定金額を越えた分を公的医療機関に請求してくれます。
大きな手術などをした場合は、一度に100万以上の金額を用意しないといけないことがあるため、ぜひその場合はその後の負担を減らすためにも制度を利用しましょう。
また自分の限度額を知りたい場合は、全国健康保険協会の医療費が高額になりそうなとき から自分の所得区分を確認してください。
後で返ってはは来るけど、一時的でも貯金を大幅に切り崩すのは精神的に良くないです。
入院・手術が事前に決まっているなら、ぜひ利用しよう!
知っておきたい公的な制度④:医療費控除を申請する
医療費控除とは自分や自分の家族(同一世帯)の人が、病気やケガで医療費が一定額を超えた時、税金が安くなる制度です。
サラリーマンは先に税金を納めている場合が多いので、医療費控除の申請をすると払いすぎた税金が戻ってきます。
医療費控除を受ける目安は、1月1日~12月31までの期間に
ただし、医療費控除の金額が実際に返ってくるわけではなく、
となります。所得税率は自分の昨年度の所得から決まるため、以下を参考に自分の所得税率を調べてください。
正直所得税率だの、医療費控除など用語がややっこしいですが、一度覚えてしまえば楽なので、きちんと意味を理解して取り組んでください!
知っておきたい公的な制度⑤:傷病手当金を利用する
傷病手当金とは公的医療制度加入者が、業務以外の怪我や病気で働けなくなってしまった時にお金を貰える制度です。
金額は給料の2/3で最長1年6カ月受給することができます。
ただしこの制度はいわゆるサラリーマンだけのもので、自営業やフリーランスなどの国民健康保険加入者はこの対象にはなりません。
以下は詳しい申請方法が載っているサイトです。
傷病手当金はお金がもらえる制度なので、入院費用が払えないなど事態が切迫している場合は非常に助かります。
ただし、その後の生命保険などに入りずらくなる・失業保険と同時に受給はできないなど、注意したい点もあるので、自分にとって何がベストか考えてから申請を行ってください。
自営業やフリーランスの怖いところはこういった、福利厚生に守られていない事だね。
・・・。嫁ちゃん、、ファイト!!
知っておきたい公的な制度⑥:自立支援制度を申請する
精神的な疾患で通院・入院する可能性がある方に覚えておいて欲しい公的医療制度です。
申請が通れば、精神疾患で通院する場合の医療費や薬代、入院費用の負担が1割(所得により上限が異なる)となり、大幅な医療費の削減につながります。
障害者手帳や障害年金より受給のハードルは低いため、もし精神疾患で通院が余儀なくされていたり、長期にわたる入院が必要だといわれた場合は、担当医に一度相談してみましょう。
ただ公的医療制度に対して消極的な担当医の場合は、大きな精神科の入院施設がある病院に紹介状を書いてもらうのも一つの方法です。
大きな病院なら必ず精神科の公的な診断書をかける「指定医」が在中しています。自分のかかりつけが指定医認定されていないと、そもそも申請書を書けないので、自分の担当医がどういった状況なのかもぜひこの機会に知っておきましょう。
精神科のお医者さんの中には、公的医療制度に精通していない人もいます。その場合は自分からアプローチすることも大事です。
大きな病院はケースワーカーさんが別にいるけど、個人医院では現状全て医師がやるからね。これこそ知っていないと損する制度だよ!
知っておきたい公的な制度⑦:障害者手帳の申請をする
手術後や病気によっては利用できる制度です。
身体障碍者手帳なら
- 交付申請書
- 身体障碍者診断書・意見書
- 印鑑
- マイナンバーがわかるもの(運転免許証・パスワードなどの身分証)
等級は身体なら1~6級まであり、基本的に発病後すぐに申請はできず、症状が固定されてからが申請を行います。
障害者手帳の申請が通ると、等級によっては医療費が免除になったり、税金の減免が受けることができ、金銭的な余裕を生んでくれます。
申請してから結果がわかるまで1カ月~4カ月とかなり幅があるため、気になる場合は市区町村の福祉担当窓口か、入院している病院のケースワーカーに相談してみましょう。
以下は厚生労働省が定める身体障碍者手帳の基準を確認できます。
入院している間だけでなく、等級によっては公共交通機関の全額免除・公共施設の利用料免除・、大きな怪我をしたり、手術で後遺症が残ったなどの場合は覚えて損はない制度です。
知っておきたい公的な制度⑦:障害者年金を申請する
初診日により適用される年金が変わりますが、毎月少しずつですがお金がもらえる方法です。
障害の初診が20歳より前、または国民年金の方は障害基礎年金。
障害の初診日に厚生年金に加入している方は、障害厚生年金を申請できる可能性があります。
ただし、申請してから決定通知書が来るまでに約3か月~長くて半年ほどかかります。
そのため、もし申請できるようならば早めに準備しておきましょう。また障害者年金は申請ハードルが非常に高いため、簡単に申請できるものではありません。
年金の受給には指定医師の診断書が必要なので、担当医が障害年金にあまり詳しくない場合は、転院する・医師を変えるのも選択肢の一つです。
知っておきたい公的な制度⑧:一部日単金減免制度を利用する
あまり知られていない医療の減免制度です。
災害や特別な事情で著しく医療費を払うのが困難なときに、窓口負担が0になったり、一部負担が減額されたり、支払いの猶予をもらえます。
まだ浸透していない制度なので、こちらについてはネットで調べても正直あまりいい情報が出てきません。そのため自分がこれに該当するかもしれないと感じた場合は、お住いの市区町村の保険年金課に問い合わせましょう。
免除してもらえれば安心して治療に専念できます。また減額措置でも2割のさらに8割減額になるので、それだけでも大きな負担削減につながります。
災害だけじゃなくて会社が倒産した!!病気で大黒柱が働けなくなった!!という緊急事態でも申請できる場合があるからまずは聞くことが大事!
入院費を抑えたいなら知っておくべき知識
治療を削って医療費を抑えるのではなく、制度を知って入院費用を賢く抑える制度を紹介していきます!
知っているのと知っていないのとでは、差がでる知識なので、今は必要ないと思っていてもぜひさらりと読んで頭の片隅に残しておいてください。
入院費を抑えるテクニック①:施設基準が低い病院を狙う
軽度の怪我や病気での入院費用を抑えたいなら「施設基準が低い」病院を狙いましょう。
日本の医療費は全国一律となっていますが、入院費用の病院ごとの違いは「施設基準」によって差が出ています。
施設基準とは、看護師1人あたりが入院患者何人を担当するか?によって異なります。
- 7対1(入院患者7人に対して1人の看護師)
- 13対1(入院患者13人に対して1人の看護師)
と記載されて、これは病院のHPなどで確認することができます。
もし、今回の入院が軽度の怪我によるものだったり、特に特定の病院にかかる必要がない場合は、入院する病院を施設基準で選ぶのも1つの節約の方法です。
ただし、大前提は怪我や病気を治すことなので、その点は注意してください。
自分の症状にマッチした病院を選ぶことは大前提だね。
入院費を抑えるテクニック②:手術と入院の日を移動できないか考える
高額療養費の計算は月初めで月締めです。
そのため入院が一日でも月をまたいでしまうと、高額療養費の計算上かなり不利になってしまいます。
もし入院日や退院日が事前に調節できるなら、できるだけ1月の中で入退院を済ませてしまうと大幅に医療費を節約できます。
実際には空きベットなどで調節はかなり難しいですが、もし少しでも調節できそうならトライしてみましょう。
入院費用を抑えるテクニック③:大部屋にする
入院する際に「大部屋希望であること」「差額ベット代を支払うには金銭的余裕がないこと」をできるだけ冷静に伝えておきましょう。
入院費用の中には医療費としてカウントしてもらえない「差額ベット代」というものがあります。
差額ベット代とは「個室」や「特別室」といった、普通の病室よりいいお部屋で発生する料金です。「一人で静かに療養したい」「周りに人がいると寝れない」など個人的事情で利用する場合が多いため、この部分は医療費として認めてもらえません。
ただ急な入院の場合には「今は空きのベットがないので、個室になり差額ベット代が発生します」といったケースもあり、自分の都合ではなく病院都合で「差額ベット代」が発生する部屋に入ることになることもあります。
病院によっては大部屋が空けばすぐに移動をさせてくれたり、反対に差額ベット代を払わせ続けたりなど対応に違いがありますが、金銭的に苦しく差額ベット代が負担になるようなら、冷静に病院側と交渉をしてみましょう。
病院側の事情の場合は差額ベット代を支払わなくていい可能性もあるので、諦めずただ冷静に対処してください。
昔歯ぎしりといびきのすごい人が、差額ベット代なしで個室に移ったこともあったね
入院費を抑えるテクニック④:ケースワーカーに相談する機会を設けてもらう
病院にケースワーカが在中している場合は、どうしてもお金に困っているなら一度相談に乗ってもらいましょう。
ここで紹介した制度はあくまで全国で使える一般的な制度です。しかし全国の自治体はそれぞれ独自の制度で、何かしらの支援を行っている自治体もあります。
なので相談に乗ってくれるプロに一度話を聞いてもらうと、あなたに合った制度や支援を紹介してくれる場合があります。
実際に私も、現在も通院を続けている病院に最初に話をつけてくれたのはケースワーカーの方でした。
いい方ならお金の面だけでなく今後の通院の事、治療のために必要なこととかも相談にのってくれる場合もあるよ!
入院費用を払えないとどうなる?
さてここまでは入院費用の支払いを何とかする方法を紹介しましたが、もしどれを試してもどうしても支払えない時場合は、以下の3つのことが起こります。
- 退院・転院をすすめられる
- 保証人に請求がいく
- 裁判になる(財産が差し押さえられる)
基本的にまずは、支払う意思があるかどうかを確認し病院側から何度も催促の手紙や電話がかかってきます。
もしそれを無視し続けていると、次の段階にすすみ上記3つのうちのどれかに事態が進んでいきます。どの方法をとるかは病院や治療費の金額によって違いますが、ただどの場合でも病院側との関係が悪くなることは避けられません。
少額なら裁判にまではならなくても少額訴訟という形で、訴えられる可能性もあるため、もしどうしても支払えない場合は「病院側に包み隠さず事情を説明し、分割にしてもらう、支払いの期日を延ばしてもらう」など支払う意思はあることを伝えつつ相談してください。
まとめ
実際に10回以上入院した私ですが、この中で自分ひとりの時に入院した時、収入もなくなり本当に困ってしまいました。
担当医がいい方だったので、すぐに病院のケースワーカーさんに連絡を取ってもらい面談し、その後地域の福祉課の方と連携をして窮地を救われた経験があります。
公的な制度は、知っているかいないかで天と地ほどの差が出ます。
そして公的な医療制度の多くは、遡って請求するには「何年まで」という時効が存在し、過去の損に気が付いたとしても、その時には後の祭りだったということも多々あります。
無知は自分を苦しめ、知識はあなたを助けます。
入院や病気などで苦しんでいる時に「お金」という新たな悩みの種を増やさないためにも、利用できるものはなんでも利用し、賢く・気持ちよく療養してください。
この記事が、あなたの不安の種を取り除く手助けの一つになることを願っています!
月城
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