ペットボトル1本持てない人生でいいの?と言われた話。
こんにちは月城です。
今回は飛び降り自殺ミスって半年。リハビリの最中に言われた人生を変えた一言、について書いていきます。当時は本当にショックでしたが、この言葉があったから今があると思えるお話です。
ちなみに賛否あるとおもいますが、脚色なしの実話です。
飛び降り自殺をミスって半年。
右足は全ての負荷を一身に負ったことにより、粉々に砕けてしまっていた。
名称は右足粉砕骨折。
医師からは「立つことは出来るが、歩くことは杖でしか困難である」
そして「今後これ以上の回復は見込めないだろう」っと言い渡された。
親たちは私の将来を悲観して泣いていた。
私は何も感じていなかった。実感がわかなかったのだ。
治療から回復の段階がリハビリに移ると、すぐに新しい病院に転院させられた。
新しい病院では杖を使っての歩行を目的にリハビリをやる予定だった。
ただそこにいた、女の理学療法士との出会いが、私の人生をまた大きく変えることになる。
元々リハビリ自体にあまり積極的ではなかった私を見て、彼女は無言で重りを差し出した。
そして、「これをもって、ここを一周してみて」とだけ言い、私から車いすを離していった。
持たされたおもりは重く、杖をつきながら一周するのに途方もない時間を要してしまった。
そして任務を完了した私には彼女はこう言った。
「そのおもりはペットボトル1本と同じ重さしかない。そして今歩いた道はたった50メートルだ。」
「あなたは本当に、1本のペットボトルをコンビニから持って帰ることさえできない人生でいいの?」
愕然とした。持っているおもりが、たかがペットボトル1本の重さだということに。
自分がコンビニからジュース1本持って帰れなくなっているという現実に。
リハビリもどこか他人ごとで、表面上は真面目に取り組んでいるが、心の奥底ではすでに、全てどうでもよくなっていることを見抜かれていた。
たかがペットボトル1本、
リアルだった。初めて自分の置かれた状況が飲み込めた気がした。
そして、ここで踏ん張れなければ恐らくもうだめだ。という最後の最後の一線が見えたような気がした。
あとがき
この後私は、一念発起してリハビリに取り組み杖で歩行、装具で歩行、そして現在は一見足が悪いとは全く思われないくらいに回復しています。
主婦になり、母になりたくさんの食材をスーパーから持って帰ったり、抱っこひもで娘を抱っこして色々なところにも行きました。
結婚してからほぼフルタイムでやっていたバイトは、ファミレスのウエイトレスです。
ただふとたまにコンビニに行くと、ペットボトル入っている冷蔵庫を見てあの言葉が蘇る時があるのです。
「ペットボトル1本、持って帰れない人生」
それはどんな人生になったのかな?と。あそこであの先生に出会えていなかったら、恐らくそういう人生になっていただろうなと。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
月城