こんにちは!月城です!
今回は、有川浩先生のおすすめ小説をランキング形式で紹介していきます。
有川浩って聞いたことあるけどどんな人?なんでそんなに騒がれているの?おすすめの小説はどれ?など全ての疑問解決する渾身の記事を書きましたので、ぜひ有川先生の小説を選ぶ際の参考にしてくださいね。
有川さんの作品は、毎回発売日に新刊でそろえるほど大ファンで、キャラクターに感情移入しすぎて、泣いたり笑ったりが止まりません。
ドラマや映画でしか知らないあなた!本も最高ですよ!!一冊手に取れば有川ワールドの虜になること間違いなしです。
以下まず有川先生とは?から触れていきますので、ランキングのみ見たい方はこちらからどうぞ!
有川浩ってどんな人?
ここからは、有川浩先生(以下有川さん)に魅力、小説のスタイルなど、有川さんがなぜここまで注目される作家になったかを、簡単に書いていきます。
有川浩とは?
高知県生まれで、第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞し、2004年『塩の街』で異例のデビューを果たします。異例のデビューとは『文庫本からハードカバー』という、普通の書籍発行スタイルとは、真逆のスタイルをとった事に由来します。
これはもともと、出版社側はハードカバーでの発売を強く希望していましたが『大賞作品は文庫化!』という文言のためとられた、異例の応急処置でした。
この逸話だけでも、『大物現る!!』て感じですよね。
その後、自衛隊3部作などミリタリーやSF要素の強いものを手がけ、『図書館戦争シリーズ』でその人気は大爆発。その後もヒットを飛ばし続け、多くの映像化作品を生み出し、売れっ子作家という現在の地位を築いています。
作風は?
作風は、活字初心者にも読みやすいスッと入ってくる文体、1冊が数話で構成されており、1話完結のドラマを見るような構成になっています。つまり小説を細切れに読んだとしても、各章が終わればスッキリ感が得られ、シリーズドラマを観る感覚で、続きも気になるという、忙しい人にはもってこいの作風なのです。
1話完結と言っても、終盤は物語を一気に盛り上げる熱量、シナリオにも圧巻です。ラストはハッピーエンドに歓喜の叫びをあげたり、感動して号泣したり1冊で気軽さ、続きの気になるワクワク感、ラストの感動と3種の感動をもたらしてくれます。
また恋愛要素においては『ベタ甘』と呼ばれており、読み手が登場人物に感情移入したら『原作でこんな甘いシーンがあったらいいのにな~』という、読み手の要望を存分に叶えてくれています。
有川浩って結局どんな人におすすめなの?
有川浩さんは読みやすい文体、構成からどんな方にもおすすめできる作家ですが特に
- あまり活字が得意でない人
- 普段小説を読まない人
- ドラマにはまった人
- 読書好きだが、普段読書にあまり時間が取れない人
には、特に文句なしでおすすめできますので、ぜひこの機会に有川さんの小説を手に取ってみてください。
さて前置きが長くなりましたが、ここからは私のオススメ順に紹介していきます!
有川浩おすすめランキング!
ルールは以下の通りとします。
- 2017年5月現在発売されているものにします。
- 恋愛、SF、エッセイ、ジャンル制限はなしとします。
- シリーズものは1つの作品として考えます。
- ただし、シリーズものでも複合シリーズの短編集はこの限りではありません。
- 月城の独断と偏見です。そのあたりはご容赦ください。
23位 倒れる時は、前のめり
初のエッセイ集です。エッセイと言っても1つが1~2ページほどという超短編なため、取っつきやすい作品です。有川さんの小説家だけど、商売人でもあるという心意気が存分に感じられる作品でした。
小説家だからって偉ぶったり、上から目線だから産業自体が先細っちゃうんだよ!とか被災地支援は自粛からは生まれない、経済は回してなんぼ!などなかなかスパイスの効いた発言が多数飛び出します。
しかしどの信念も1本の筋が通っていて、反感を買いそうな意見を、はっきりきっぱり言う姿に感銘を受けました。
有川作品が好きになったらぜひこちらも手に取って、小説家兼商売人という一面を垣間見て下さい。
短編小説『ゆず、香る』と『彼の本棚』も同時収録されており、エッセイだけでなく甘めの恋愛短編小説も楽しめます。
22位 ラブコメ今昔
自衛隊ラブコメディです。国を守る自衛隊員たちの、全力だけどちょっと不器用な甘い恋愛模様を描いています。
軍事とオタクと彼では、国を守るという役目を背負った人の覚悟と、それを待つ側の覚悟に、他の仕事にはない重みを実感しました。
自衛隊員の十人十色の恋愛模様を、甘く描いた作品なので、ぜひ糖度高めで短編の恋愛ものを探している時にどうぞ。
21位 クジラの彼
恋愛短編集です。6つ短編が収録されており、『海の底』『空の中』の番外編が入ってているので、前作を読んでからのこちらを読むことをおすすめします。
クジラのように、一度潜ったらなかなか地上に出てこれない、潜水艦乗りの彼を持つ聡子と彼の恋愛は、健気に彼を待つ様子に胸をうたれました。
自衛隊員という立場で、様々な障害を乗り越えつつ、溢れる思いをぶつけるような恋物語に、キュンキュンが止まりません。ぜひトキメキが足りなくなった時にどうぞ。
20位~11位
20位 県庁おもてなし課
地方再生と活性化に、正面からぶつかった作品です。大自然に囲まれているが、大自然しかない『高知県』の新部署『おもてなし課』に配属された掛水が、高知県の認知を広めるために飛び回ります。
観光大使を頼んだ吉門に『お役所仕事で、時間が外の世界で一番高いということが、わかっていない』とガツンとやられるところは痛烈でした。
とっつきにくそうな観光というテーマですが、そんな懸念を見事に吹っ飛ばしていくパワーがありました。食わず嫌いせずに読んでみると、新しい旅行先が見つかるかもしれません。
19位 レインツリーの国
『会わなければよかったけど、会えてよかったです。』1冊の本をきっかけに、ネットで知り会った青年と少女には、乗り越えなければいけない壁があった。難聴を抱える少女と青年の物語を、有川節の甘酸っぱさをそのままに描いていきます。
難聴という障害を、誰しも1つは持っている『コンプレックス』として扱うことで、物語を重すぎることなく仕上げています。
またこちらは『図書館戦争シリーズ』に語られている本でもあるため、合わせて読むとまた違った楽しみもできます。どちらから読んでも問題ないため、ぜひこの機会に、新しい景色をのぞいてみませんか?
18位 海の底
ハードSFサスペンスです。海上自衛隊潜水艦『きりしお』は、突如現れた大量の巨大な赤い甲殻類取り囲まれ、そこで捕食される人々を見ることになる。
逃げ込んだ潜水艦に閉じ込められ、孤立する事になった自衛隊員2名と子供たち、市民救助のため凄惨な戦場で奮闘する神奈川県機動隊の2視点で物語が進んでいきます。
冒頭から、人が生きながら食べられるというグロテスクな描写に度肝を抜かれました。逃げ込み身動きの取れなくなった潜水艦内では、子供たちの歪んだ関係に眉をひそめつつも、最期はそれぞれが問題に正面から向き合っていきます。
機動隊視点では、銃器を使うことの出来ない彼らの壮絶で凄惨な戦いに、何度も目を覆いたくなりました。
ラストまで手に汗握る展開なため、ハラハラする作品が読みたい時にどうぞ。
17位 だれもが知ってる小さな国
継承されたコロボックル物語第二弾です。佐藤さとるさんのファンタジーの名作「だれも知らない小さな国」を有川さんが書き継なぎます。
みつ蜂を養って、蜜を取るため日本中を旅しているヒコと、コロボックル達が描かれています。村上勉さんの挿絵が、物語により懐かしさとあたたかさを加えてくれています。
「探している人には見つからない」昔であったコロボックル達に、また会える作品です。
16位 ヒア・カムズ・ザ・サン
たった7行のあらすじから紡がれた、2つの異なる物語です。物に宿った記憶や思いを読み取ることのできる能力を持つ主人公真也が、同僚 カオルの長期間会っていなかった父親との仲を取り持つお話です。
一見かなりのダメ親父が、心の中でどれだけ娘の事を思っているかわかるシーンは、純粋に涙がこぼれました。
主人公の設定、登場人物の名前、冒頭の7行は同じなのに、できる父親と夢ばかりでダメダメな父親の対比は、ただのパラレルではなく、小説というものの大きな可能性を示してくれています。
15位 アンマーとぼくら
家族の愛を感じる作品です。主人公リョウは母が亡くなり、父の再婚をきっかけに沖縄に移り住むことになります。リョウが成長し、父も亡くなり残った後、残された義母に親孝行するために『3日間の沖縄旅行』を計画します。リョウはその沖縄旅行の中で、過去の自分を振り返り、亡き父、母、義母の真意に気付いていきます。
最初は、父親の発言にイライラしながら読んでいましたが、最期は結局涙で前が見えなくなりました。
優しく包み込むような2人のアンマー(沖縄の方言でおかあさん)と、ずっとひかかっていた父のことが全てわかる時、優しい涙が溢れだします。
14位 塩の街
東京湾に突如飛来した謎の結晶によって、体が塩の結晶になってしまう『塩害』に見舞われ、人々が加速度的に死んでいく世界のお話。有川さんのデビュー作とは思えぬ内容に一気に引き込まれます。
前半は死を待つ人々のそれぞれの最後の迎え方に、ただ茫然と圧倒されました。後半は恋愛色が強くなるため、SFものとしてではなく、極限状態での愛とは何か?を考えさせられる作品です。
13位 明日の子供たち
児童福祉施設を舞台に繰り広げられる人間ドラマです。施設で育った子供もいつかは大人になり、巣立っていかなくてはいけない。当たり前だけど、指摘されないと気付けなかった、一面を気づかさせてくれます。
家庭環境の問題で施設に入所している彼らは『施設の方がずっといい』と思っている。しかし自分も含め世間は『施設で暮らしていてかわいそう』と言う。悪意のない世間の常識が、彼らをえぐっている現実にハッとさせられます。
重いテーマなのに希望に溢れ、読了後はものの見方を1つ変えてくれる作品です。
12位 空飛ぶ広報室
夢破れた者の成長物語です。不慮の事故でパイロットの夢を絶たれた新米広報官 空井と、記者志望だけどディレクターになってしまった リカは、どちらも新境地で、もがきつつ前に進んでいきます。
有川さんの甘めの恋愛小説ではなく、ぜひ仕事に誇りを持って生きる人々の小説と思って手に取ってください。普段なかなか目にすることのない、彼らの仕事に驚かされつつ、逆境を乗り越えるまぶしい姿に感動します。
人生につまずいて疲れたとき、前に踏み出す勇気と元気を与えてくれる物語です。
11位 フリーター、家を買う
フリーター男の成長物語です。大学卒業後就職した会社を、合わないからとすぐにやめてしまった誠治。しかし母が近所のいじめにより、うつ病を発症してしまったことで、一念発起し就職活動を始めます。
最初はどうしようもない父子が、少しづつ意識を変え、行動を変え成長していく姿は、素直に前向きな気持ちになれました。
仕事や家族の在り方、大切さを再確認する1冊です。
10位~1位
10位 シアター
劇団再建物語りです。人気はあるけどお金がない!甘ちゃん仲良し劇団が解散の危機に直面し、超リアリスト鉄血宰相春川 司を迎え入れ劇団再建に挑みます。
演劇という馴染みのないお話を、『お金』というだれでも関心が持てる切り口から攻め、読者をその世界に誘う手法には脱帽の一言です。
芸術家であるプライドや、赤字を当たり前に考える甘ちゃん思考を、バッサリ切り捨てる司は本当に痛快でした。夢と現実のはざまで揺れる彼らに明日はあるのか!?必見です。
9位 空の中
SFエンターテイメントです。上空2万メートル、生物が生息できるはずのない区域に『何か』はいた。前代未聞の航空機事故の調査中、パイロットの光稀と事故調査委員の高巳は、意思の疎通ができる未確認物体に遭遇します。
フェイクの可愛さやいじらしさに胸を打ち、光稀達の恋愛模様にほおを緩ませ、ラストは宮じいの言葉に感動しました。
SF王道の未知との遭遇は、自衛隊という現実感あるものを絡ませることで、もしかしたら本当にこういうことがあるかも・・。と思わせる絶妙な塩梅になっています。SF好きならぜひ手に取ってほしい1冊です。
8位 キャロリング
ちょっと切ないヒューマンドラマです。クリスマスに倒産する会社に勤める、現在同僚で元恋人の二人。両親の離婚問題に悩む少年。普通になりたいヤクザ達。冒頭のスリリングな展開に驚き、後半は全員が抱える切ない物語の決着に固唾をのみました。
敷かれたレールの上を歩くしかなかったヤクザの赤木やレイのパートでは、彼らの闇や苦しみに胸が押しつぶされそうでした。
読み進めるとこちらは、続きがきになって仕方がないので、ぜひ一気読みできるときにどうぞ!
7位 キケン
理系男子の青春物語です。機械制御部・通称『キケン』の部員達が、爆弾製造・奇跡の味のラーメン制作・ロボット作りなど、ハチャメチャに青春を謳歌します。
奇跡の味のラーメンをつくる学園祭では、大学って楽しそうだな、行ってみたかったなと、眩しく輝く彼らが羨ましくなりました。またロボット対決でも、まさかラストをこうしめるとは!と驚かされ、爆笑してしまいます。
一見かなり常識外れで、爆笑をさらって終わるのか油断していたら、最後の3ページで思いっきり号泣させられてしまいました。青春時代の眩しさと大切さを、思い出させてくれる作品です。
6位 ストーリー・セラー
切ないラブストーリーです。sideAでは小説を書き続けたら死ぬ病気にかかった小説家の妻と夫。sideBでは小説家の妻と事故をきっかけに癌が見つかった夫の2つの物語が収録されています。
SideBでは小説家の妻が夫の病気を『覆れ、覆れ、覆れ・・。』と永遠に打ち込む所に戦慄しました。夫婦愛に感涙し、最期に仕掛けられた罠に、驚愕し思わず読み返してしまいます。泣きたくなった時にぜひどうぞ。
5位 三匹のおっさんシリーズ
3匹のおっさん達による痛快活劇です。剣道の達人キヨ、柔道の達人シゲ、頭脳派ノリの三人の幼馴染が、還暦を迎え「3匹の悪ガキ」から「3匹のおっさん」として近所の世直しをしていく様子は痛快でした。
最初はちょっと不良チックなキヨの孫・祐希が、世直しをしていくキヨの姿をみて少しずつ交流を深めていくところも、思わず頬がにやけてしまいます。
読んでいる最中は笑い、読み終わった後は爽快感を運んでくれます。
4位 図書館戦争シリーズ
本と恋の極上エンターテイメントです。こちらはすでに映画化、漫画化もされてかなり有名な作品です。
メディア良化法や図書隊員などという馴染みの少ない言葉が出てきますが、「もし今の世界に検閲というものがあったら。」という前提で物語が進んでいきます。
最初は取っつきにくいミニタリーの世界も、大好きな本を守ってくれた『王子様』を探すため過酷な世界に身を投じた郁など、読み進めるごとにキャラクターの魅力に虜になる作品です。
3位 植物図鑑
『お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾ののできたよい子です。』とお手の真似をするイケメン青年を、酔った勢いで拾ってしまったさやか。
手は出さないが、胃袋をがっちりつかまれ、さやかとイツキの不思議な同居生活が始まります。
植物オタクのイツキに連れられる形で、四季折々の『野草狩り』をし、その獲物たちを美味しく料理する光景には、ついついよだれが垂れそうになります。またイツキとさやかの、不安定な恋愛にも胸が苦しくなりました。
読み終わると普段気にも留めなかった『雑草たち』が、それぞれ凛とそこに存在することを知り、日常に新しい発見をくれる1冊です。
2位 旅猫リポート
『ある事情』で大切な猫ナナを手放さなくてはならなくなった悟が、ナナの新しい飼い主を探すため、古い友人を巡る旅に出かけます。
言葉は喋れないけど、聡明で人の言葉を理解しているナナの視点と、新しい飼い主候補たちの視点で物語が進みます。ナナ視点では猫の猫たる主張が存分に繰り広げられ、思わず笑いがこみあげました。ただ全てがわかるラストは、涙腺が決壊しますので、お手元にティッシュを忘れずに。
1位 阪急電車
純白のドレスで、婚約者を寝取った女の結婚式に討ち入りした翔子は、孫にこびないと老婦人時江から引き際を。ロクデナシ彼氏を持つミサは、ちょっとおバカで優しい彼氏をもつ女子高生からロクデナシ彼氏への未練を。
偶然乗り合わせ、ほんの少し会話しただけの人同士が、小さな出会いからきっかけをつかみ、人生の分岐点の後押しにします。
登場人物が深くかかわっていくわけではないのに、出会った人々がきっかけの連鎖を起こしていく。短い小説の中でたくさんの小さく素敵な奇跡を感じられます。
討ち入り女翔子では、あまりの不幸に愕然としつつも、討ち入りを果たした彼女に賞賛の拍手を送りたくなりました。こちらは特に有川さんの小説を初めて読む方、本を読むのが苦手な方に、自信をもって面白い!とおすすめできる1冊です。この本との出会いが、あなたの読書人生を変えてくれるかもしれません。
こんなに大好きな作家さんの事を存分に語れる記事をかけて本当に幸せでした。どれか1っ冊でも心に響き、手に取ってみたいと思っていただけたら、幸いです。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!
月城