すぐにイライラしてしまう。ちょっとしたことで涙が溢れて止まらない。こんな症状に心当たりがある場合、あなたは情緒不安定になっているかもしれません。
今回は情緒不安定の症状・原因・改善方法などを、できるだけ詳しくまとめました。
症状に心当たりがある人は改善方法を、情緒不安定な人が周りにいる場合は、付き合い方をぜひ参考にしてください。
また情緒不安定な妻を持つ夫の実体験談も載せていますので、そちらも合わせてどうぞ!
【2018/09/02 2選追加】
情緒不安定とは
情緒不安定とは、すぐに泣いたり、怒ったりなど感情の起伏が激しく、それを自分でコントロールすることができない状態です。
情緒不安定な状態が続いてしまうと、心理的にも肉体的にも多くの影響が現れてしまいます。
情緒不安定な人の症状
情緒不安定な人の症状1・怒りのポイントがわからない
情緒が不安定な人の怒りのポイントは、ささいな事が多く他の人には理解されません。
瞬間湯沸かし器のような感情を、自分でコントロールすることができず、気が付くと家庭や社会で埋められない溝を作ってしまう事もあります。
ささいな事で怒りが収まらなかったり、後々自分で振り返って、あの時なぜそこまで怒ってしまったかわからなければ、情緒不安定といえます。
情緒不安定な人の症状2・すぐに泣く
仕事で嫌なことがあると、人前でも構わず涙が出てしまったり、恋人やパートナーと喧嘩になった時必ず泣いてしまうなど、頻度が多い場合は、一度自分を見つめなおしてみましょう。
泣くことが悪いわけではありませんが、大人が人目をはばからず泣いている姿は、見た目がいいものではありません。涙をこらえることができないのは、心が出しているSOSと捉えてみましょう。
情緒不安定な人の症状3・他人と会うのが煩わしい(人間関係が希薄になる)
情緒不安定な人は、自分の気分を乱す可能性のある他人との関りを、自分から断ってしまいがちです。
古くからの友人でも、その友人の何気ない一言が心の平穏を乱すかもしれないと感じると、友人との間関係そのものが煩わしくなり、関係を断ってしまうのです。
例えば友人から『出産おめでとう!女の子なんだね、可愛い!』という言葉を贈られた時、『女の子なんだね』の部分が異常に引っかかり、もやもやしてしまうといった具合です。
本人も、友人が何かしらの悪意を持ち放った言葉ではない、またそれほど気にする事でもない、っという事は頭では理解しています。
しかし感情がついてこず、イライラや悲しい気持ちが抑えられなくなってしまうのです。情緒不安定な人はこのような経験を繰り返すうちに、他人と関わることに疲れ、徐々に他人と距離を置くようになってしまいます。
情緒不安定な人の症状4・パニックに陥りやすい
情緒が安定していない人はパニックに弱い傾向があります。
感情のコントロールがうまくできないため、突発的に起こった出来事に感情を大きく左右されてしまい、すぐにパニック起こしてしまいます。
パニックにならないように言い聞かせても、それを実践することは困難を極めます。パニックに陥りやすく困っている人は、ぜひ下記の改善方法を参考にしてください。
情緒不安定な人の症状5・感情の起伏が激しい
情緒が不安定な人は、前述した怒りやすく泣いてしまいやすいの他に、感情の起伏が激しいという特徴もあります。
さっきまでとても落ち込んでいたのに、ささいなきっかけでテンションが回復し陽気になる。逆にさっきまで浮かれていたのに、急に落ち込んでしまう。
共通しているのが、感情の上下が短期間で普通よりも激しい事です。この状態では、周りの人もなぜ気分が落ち込んでしまったのか、なぜ機嫌がよくなったのかがわからず困惑してしまいます。
またこのような症状が激しい場合は、双極性感情障害という別の病気も考えられます。
情緒不安定な人の症状6・承認欲求が強い
情緒が不安定な人は、承認欲求が強く誰かに認めてもらう事に、激しいこだわりを持ってしまいがちです。
例えば学校の勉強を頑張った時、その成果に満足するのではなく、先生や親といった第三者からの評価を激しく欲してしまいます。
そこで本人の満足のいく評価や賛辞がもらえた場合は問題ありませんが、もし本人が望むような賛辞が得られなかった場合は、大きく感情が揺さぶられ情緒不安定な状態になってしまいます。
情緒不安定な人の症状7・曖昧な事が苦手
情緒が不安定な人は曖昧な表現が苦手です。
世の中のすべての事を、無意識に『白か黒か。100か0か。敵か味方か』といった極端な捉え方をしてしまいます。
例えばいい上司だと思っていた人が、ちょっとした事をきっかけにその人への評価が180度変わってしまう。ちょっとした失敗があるだけで、自分の事をもうだめだと決めつけ落ち込んでしまう。
全ての事柄を極端に2極化した考え方で捉えているため、ちょっとしたことで『いい人』『悪い人』、『できる自分』『できない自分』が変化し、感情が揺れ動いてしまいます。
情緒が不安定な原因
情緒が不安定な原因は、以下の要因が考えられます。
- 睡眠不足・栄養不足などの環境的要因
- ストレスなどの社会的要因
- ホルモンのバランスなどの体質的要因
- うつ病・人格障害などの病気的要因
睡眠不足や栄養不足ならばそれを補えば解決しますが、ストレスやうつ病など複合的な要因が絡まっていることもあるため、何か一つに原因と決めつけるのは危険です。
以下に情緒が不安定な時の改善方法をまとめました。改善方法を参考にしつつ、思い当たる原因がある場合は、それを取り除けないか考えてみましょう。
情緒不安定な時の改善方法
充分な睡眠をとる
睡眠と情緒はとても深いつながりを持っています。
睡眠不足が続くと脳機能が低下し、うつや抑うつ状態に似た症状が出るという事がわかっています。
人の体は寝だめというものができません。なので、日々十分な睡眠をとることが、まず一つ目の改善方法です。
毎日6~7時間以上寝ていても、睡眠の質が悪いと合計睡眠時間は実は足りていないという事もあります。十分な睡眠をとっているのに昼間に眠気を感じる場合は、一度睡眠環境の見直しをしてみましょう。
女性なら体のことを知る
女性なら月経も、情緒不安定の原因として考えられます。
月経前はプロゲステロンという黄体ホルモンや、脳内神経物質「セロトニン」の影響で、体や心に不調が現れてしまいます。
重い生理痛など、体に深刻な症状が出る「月経前症候群(PMS)」や、気分にまで症状がでる「月経前気分不快障害(PMDD)」がこの代表です。
現在はPMS・PMDDは、低用量のピルを服用、抗うつ薬の服用という対処法もありますが、まず最も簡単に自分にできる対処法は、自分自身の生理周期・排卵周期を把握し体の状態を知ることです。
手帳で管理しても問題ありませんが、面倒な場合は生理周期・排卵の周期をスマホアプリで管理する方法もあるので、自分に合った方法で、自分の体の状態を把握しておきましょう。
生理が重いな~、月に1度や2度どうしても情緒が安定しない時があるな~、とい方はまずこの可能性を疑い、対処法を試してみてください。
栄養バランスのいい食事をとる
栄養バランスも情緒の安定にはかかせません。
女性に人気がある糖質制限ダイエットも、実は情緒が不安定になる原因を抱えています。
お米などの炭水化物から作られる糖質は、脳のエネルギー源です。それを制限しすぎてしまうと、脳がエネルギー不足なり、そのため情緒が不安定になってしまいます。
また同様に炭水化物を制限してしまうと、低血糖に陥り体が低血糖状態から脱するために出たアドレナリンにより、攻撃性が増してしまうことも。
どの場合でも、過度な食事制限により起こることなので、ダイエットなどで無理な食事制限に心当たりがある場合は一度中断し、バランスの良い食事をとることをおすすめします。
思考のゆがみに向き合う
怒りが爆発してしまう時、悲しみで涙が流れるとき、共通することはどんな些細な事でもきっかけがある点です。
そこで、感情が揺さぶられてしまう一見ささいな事柄について、思考のゆがみをとる訓練をしてみましょう。
まず起こった出来事を書き出し、その後矢印を書きその時感じた感情を書いていきます。
例えば『仕事の納期について聞かれた』という事実に対し『せかされている、怒られている、そのため悲しくなった』という感情になっている場合は、『仕事の納期について聞かれた→急がされている、怒られていると感じた』と書き出しそれをもう一度客観的にに直してみます。
そうすると、『納期について聞かれた』という事実は実は、『確認したかっただけ、話のタネにしたかった』など別の可能性を見出しことができます。思考のゆがみは一朝一夕で治せるものではありませんが、少しづつでも改善させていくと人生が楽にまわるようになります。
世の中のほとんどのことはグレーだと知る
世の中の本質は白と黒で分けられることはありません。
善の裏に悪があるのではなく、ほとんどの物事がグレーという曖昧なものだということを知ってください。
受験に失敗しても、それが100%人生に悪影響を与えるかはあなたが死ぬ時に答が出ます。
反対に、就職に成功していても、その選択が合っていたのかがわかるのもずっとずっと先です。
もし、極端な思考に陥りやすいなら一度、自分の思考と真剣に向き合ってみましょう。自分の当然だと思っていた考え方を、破壊することがあなたの心を安定させる一番の薬となります。
自分のペースで楽しむ時間を持つ
情緒が不安定なときに、家族や恋人でも共にたくさんの時間を過ごす事とはお互いの首を絞め合いかねません。
ちょっとしたことで怒ってしまっては、相手も嫌な気分になってしまいますし、自分も激しい感情が収まれば相手に悪い事をしたという罪悪感に苛まれてしまいます。
そこで情緒が安定するまでは、1人の時間を満喫するようにしみましょう。
例えば一人カラオケもストレス解消になりますし、カラオケでなら大声で泣いたり叫んでも誰も咎めたりはしません。
1人の時間を楽しみ、感情の起伏が落ち着いたらまた人の輪に戻ればいいのです。調子が悪い時は無理をして周りに合わせるのではなく、1人の時間をいかに楽しく過ごすかを考えてみてください。
マインドフルネスを試してみる
情緒が不安定な人ほど、マインドフルネスを試してみましょう。
人間の脳には前頭葉という、思考・やる気・理性を司る部分が存在します。この部分が発達したり活発に働くと、感情などの衝動的な気持ちを抑制することができ、情緒の安定にも繋がります。
方法は簡単です。椅子に浅く座るか、座禅を組み、4秒鼻から吸って、6秒で吐きます。一呼吸だいたい10秒を心がけてまずは3分瞑想をしてみましょう。
1日3分の瞑想。一見ものすごくささいな変化ですが、前頭葉には非常に効果的で、瞑想後はスッキリとした気分が味わえます。
まずは騙されたと思って2週間続けてみてください。瞑想は脳だけでなく、あなたの心にも大きな成果をもたらしてくれますよ!
信頼のおける医師を探す
情緒が不安定な状態がひどい場合は、専門医に受診することも検討してみましょう。
精神科や心療内科の医師の中には、あまり患者の話を聞かない病院もあるため、信頼できないと感じる場合は、自分に合った病院をとことん探してみてください。
信頼できる医師は人生においての宝です。その病院に出会うまで時間はかかるかもしれませんが、それでも探す価値は絶対にあります。
情緒が不安定な人におすすめの書籍
ここでは初心者にもわかりやすい、認知のゆがみやネガティブな気分から脱却するための本を紹介していきます。情緒が安定していない人にとって、手に取って何度も読める本は心の安定につながります。
立ち読みでも、図書館でもなんでも構わないので、ぜひ一度手に取ってみてください。
認知療法を知るきっかけに
認知療法を『ものの見方』と捉えることで、初心者にもスムーズに読むことのできる1冊です。
心のルールから解放されるワークや、ふとした瞬間つぶやいてしまうネガティブな心のつぶやきなど、少しづつ自分の『ものの見方』を変えていきます。
ついネガティブな気分になってしまう人が読むと、自分を変えるきっかけをくれるはずです。
もっと認知療法をわかりやすく!
認知療法を漫画でもっとわかりやすくした書籍です。
主人公は会社の突然の出向で軽度のうつになりながらも、猫に助けられながら自分と向き合っていきます。
漫画やイラストが多いのでライトな内容と思ったら、重要な要点はしっかり押さえていました。活字を読むのが苦手な人におすすめです。
子育て中に情緒不安定になった時に
産後に読むと涙が出る本です。
出産時のホルモンバランスの乱れからくる情緒不安定なときの対処や、先輩ママたちの体験談など、張りつめていた糸をほぐしてくれる本でした。
漫画やイラストも多く使われているため、疲れている時でも手に取りやすくなっています。
『こんなことで悩んでいませんか?』の章では、『子育てが向いていないと感じる』『子供がいると自分の時間がなくてつらい』などリアルな声に、著者がやさしく答えています。
情緒不安定な人との付き合い方
情緒不安定な人と付き合っていくには、いくつかのポイントがあります。パートナーや友人、家族などにこの症状が現れている場合は、ぜひ下記の付き合い方を参考にしてください。
※ここに記してある方法は、実際に重度の精神疾患を患い情緒不安定だった私をサポートしてくれた、パートナーが心がけてくれていたことも含めています。
ひどい場合は早めのサポートをすすめる
日常生活を営むこともできないほどひどくなる前に、専門医の受診をさりげなくサポートしましょう。
情緒が安定しない場合、ささいな事で怒りを爆発させることもあるため、頭ごなしに『最近情緒が不安定で様子がおかしいから、一度受診したほうがいい』などと言うと、ひどく傷つきかねません。
『体調が悪いみたいだから心配だよ。一緒に病院に行ってみない?』など、相手を心配していることを前面に出すと、受け入れやすくなります。
情緒が不安定なことがわかっていても、病気として診断されることを本人が恐れている場合があります。そんな時は根気強く治療を勧めてください
認知療法を学んでみる
上記で説明した改善方法は認知療法をわかりやすくしたものです。
情緒不安定な人だけでなく、認知療法は様々な精神疾患から立ち直るきっかけをくれます。
また本人だけでなく、サポートする側が認知療法について、一度正しい知識をつけていると、サポート仕方や接し方に変化が現れます。
興味がある場合は、ぜひ一度書籍などを読んでみてください!
私はかかりつけの精神科で、この認知療法を勧められ夫婦でこの療法を学びました!
とにかく話を聞く
感情が激しく揺れ動いている時は、とにかく話を聞いてあげましょう。
この時相手は興奮状態なため、支離滅裂だったり言っていることがよく理解できなくても、何度も聞き返したりはしないでください。
会話の目的は、話の中で相手の感情を吐露してもらい、そこで自分自身の気持ちに気づいてもらうことです。
なので、真剣に聞いている。きちんと自分の言いたいことが伝わっていると相手に通じれば問題ないのです。自分の話を真剣に聞いていくれる人がいる、という事は大きな勇気になることを覚えておいてください。
この時話を流しているか、真剣に聞いてくれているかは、すぐにわかります。必ず面倒くさがらずに真剣に向き合ってみてください!
何をしても収まらない時は、嵐が過ぎるのを静かに待つ
どの方法を試しても不安定な状態が収まらない場合は、静かに嵐が過ぎるのを待ってみましょう。
相手は怒り、悲しみ、焦燥感など大きな感情に支配され自分を見失っている状態です。大きな嵐の中ではいくら助けようと声を張り上げても、その声事態が本人に届かない事は多々あります。
そんな時慌てて共に荒れる大海原に飛び込むのではなく、静かに待つのも時には重要です。感情の起伏が収まり、相手が少し元に戻ってきたところで優しく受け止めてあげてください。
情緒が安定しない人と共に人生を歩いていくのは大変です。しかし、共に歩いていく中でしっかりとした拠り所があれば、その不安定さが回復する見込みは充分にあります。ぜひ見放したり、共に不安定になるのではなく、どっしりと構えて受け止めてあげてください。
ただしこれは全てを試した後の方法です。いつも嵐が過ぎるのを待っているだけでは、相手が不信感を持ってしまいます。
情緒不安定な妻を持つ夫たちへ~精神疾患を患う妻を持つ夫からのエール~
こんにちはこのサイトの管理人である月城の夫です。ここでは情緒不安定な妻と10年以上付き合ってきた経験談と共に、今悩んでいるあなたへささやかなエールを贈ります!
私が妻の付き合い始めた時、一番困惑したのが『怒りのポイントがわからいない』という点でした。
妻との会話は、いつ爆発するかわからない、地雷原を歩いているような気分だった、と今でも鮮明に覚えています。
他の人が見ると、切れる時・泣き出す時・不安がる時はあまりに突然で、脈絡がないように見えしまっていましたが、注意深く、本当に注意深く妻を観察し、共に生活していると『情緒が乱れる』瞬間は、いつも彼女なりのきっかけがあることがわかってきました。
理不尽ことも当然ありました。それでも彼女なりの理由があることに気が付けたら、突然怒りだしたら、まずはなだめて理由を聞きました。
急に泣き出してしまったら、落ち着くのを待ち一緒に不安になった原因を出来る限り取り除く努力をしました。そして俺はちゃんと受け止めるよ、という姿勢を見せ続けていたら、妻は次第に情緒不安定な状態から、脱出するのが上手になっていきました。
ここまで尽くすのは大変すぎる、真似できない。そんな風に言われたこともありましたが、妻だって好きでこうなっているんじゃない、夫婦二人で楽しく暮らすために努力の一つだと考えていたら、いつの間にか出会ってから10年という月日が経っていました。
壊れものを扱うような気づかいは疲れます。なんで俺ばっかりと思う日もあるでしょう。でも自分だけは理解者であるという姿勢を見せていたら、不安定な心はあなたの前だけでも落ち着きを取り戻していきます。
引きずられないようにしてください。たまには生き抜きしてください。
でもすこしづつでも改善すると信じてあげてください。夫婦なら10年後笑い話にできたらいいな、と考えながら日々の生活を楽しんでください!
まとめ
情緒不安定な人は、なにかと自分自身をコントロールできずに暴走してしまいがちです。早めにうまく感情のコントロールをする方法を身に着ければ、社会や家庭、学校などでの生活がよりスムーズになります。
ぜひここに紹介しているやり方を取り入れ、自分の感情を制御できるすべを身に着けてみてください!
自分でもコントロールが難しい部分ではありますが、ここに書いてある方法が一つでも役に立てばこれ以上嬉しい事はありません!
ここまでお付き合いくださりありがとうございました!
月城
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更新履歴
【2018/05/25 最新更新】