今回はミステリー界の巨匠、東野圭吾のおすすめランキングを、大ファンの私がどこよりも熱く紹介していきます!
東野圭吾さんといえば、多くの作品がドラマ化・映画化されていて、小説自体を読んだことはないけど、内容は知っている方や、作品名に聞き覚えがあるという方も多いはず!
「たくさん映像化されてるけど、小説も面白いの??」「ミステリーで有名だけど、どの作品を読めばいいの?」という方に向けて、今回全力でランキング付けもしたため、気になる作品を見つけた方は、まずは1冊手に取ってみてください。
以下が簡単なルールです。
- 東野圭吾さんの作品のみのランキングです。
- ドラマ・映画の内容は、今回のランキングには反映ません。
- シリーズ作品も、今回のランキングでは各作品ごとにランク付けしていきます。(まとめに理由を書いていきますが、とある事情でガリレオシリーズはランキングには入っていません)
- 独断と偏見でその辺りはご容赦ください。
さあ、それでは張り切っていってみましょう!
東野圭吾おすすめランキング1位~10位
1位 秘密
ラストまで目が離せない『最高』のミステリー小説です。
杉田平介は、スキーバスの転落事故によって妻を亡くし、娘は植物状態になってしまいます。その後、娘は奇跡的に意識を取り戻しますが、目覚めたのは娘の体を借りた亡き妻でした。
体は娘で中身は妻、という複雑な状況に、困惑する平介から目が離せませんでした。学校のことや当然夫婦の営みだって、一筋縄で解決してはくれません。
ただ、こんなちょっと奇妙な関係を綴った作品が、ラスト5ページで衝撃の展開を迎え、切なさと苦しさで涙腺が決壊しました。
タイトルに込められた『秘密』という意味と、最後の展開をぜひあなたの目で確かめてください。
※ちなみに画像の付箋は、感想を書くために印象に残ったところを残したものです。
2位 宿命
犯人当てだけでは終わらない、珠玉のミステリー小説です。
主人公 和倉勇作には小・中・高と勉強においても、スポーツにおいてもどうしても勝つことのできないライバルがいました。そんな過去を持つ勇作が、成長し刑事となり「ある事件」で、昔本気で愛した女性と再会を果たします。
しかし彼女は、かつての宿敵の妻となっていたのです。
東野圭吾さんはあとがきで『ラストの一行がとても気に入っている』と述べていました。
私自身この本を読み終わって、ラストの一文がこの小説を大きく体現していると感じました。
宿命とは『宿る命』と書きます。運命とは違い、変えようのない生まれついて決まっていることが宿命といえるのです。
だからこそ、その宿命を受入れて、強く前へ進んでいく勇作の姿に、心を打たれました。
ただのミステリー小説としてではなく、全ての人に課せらた命題『宿命』についても考えさせられる作品です。
3位 さまよう刃
正義とは何かを鋭く問う、傑作小説です。
長峰は妻の死後、男で一つで絵摩を手塩にかけて育ててきましてた。しかしその大切な娘である絵摩が、花火大会の夜少年たちの手によって殺されてしまいます。
匿名の電話によって、娘がどれほどひどい目にあい、殺されたかを知った長峰の慟哭と、少年法で守られる彼らを許せず、ライフルを握りしめる長峰に涙が止まりませんでした。
殺された者はそこで全てが終ってしまうのに、殺した側は少年法に守られ人生が続いていく・・果たして、これは正義なのだろうか?正しいことなのだろうか?とページをめくるたび、何度も自分に問いかけていました。
苦く哀しい事件を題材に、何が正しくて、何が間違っているのかを、深く読者に問いかけてくる傑作です。
4位 白夜行
悲哀に満ちたミステリー小説です。
幼い頃父親が殺された 桐原亮司、そしてやはり幼い頃に母親が自殺に見える事故死を遂げた 西本雪穂。
辛い過去を持つ2人は、それぞれ成長していきますが、2人の周囲には常に失踪や事件など不可解な出来事がつきまとっていました。
ドラマ・映画を見たのちの、小説を読むことになった私ですが、結末が分かっていてなお、この衝撃を与えられる作品に、唸ることしかできませんでした。
嘘で固めた真っ暗な孤独の中を、それでも笑って笑って光を放ちながら、歩き続ける雪穂は一体どんな気持ちだったのでしょうか?
悲哀に満ちた、亮司と雪穂の強烈な生きざまを、ぜひあなたの目で確かめてください。
5位 流星の絆
3兄弟の絆に泣ける長編小説です。
幼い頃、両親を惨殺された3兄弟は、固い絆で結ばれ冷たい世間から抗うように生きていきます。
しかし、とある出来事をきっかけに、両親を惨殺した犯人と思われる人物に遭遇することで、3兄弟は事件の真相に迫っていきます。
やられたらやり返せ!と言わんばかりの3兄弟の生き方は、決して褒められたものじゃないはずなのに、それでも妙に説得感がありました。
また強い絆で繋がっている、兄弟ならではの連携プレーにも作中何度も『クスっ』と笑わせてもらいました。
両親の事件の時効が迫る中、事件の真相にたどり着いた時、あまりの衝撃に開いた口が塞がらなくなりました。
固い流星の絆で結ばれた3人が辿り着いた結末と、最後に出した答えをぜひあなたも確かめてください。
6位 麒麟の翼 【加賀恭一郎シリーズ9作目】
加賀恭一郎の感動のミステリー小説です。1人の初老の男が日本橋の中ほどにある、2体の麒麟像の台座に、もたれかかるように死んでいました。そして、驚くことにその初老の男性は、瀕死の状態でそこまで歩いてきたことがわかったのです。
なぜ、彼は命を賭してまで、そこにたどり着く必要があったのか?その謎を加賀刑事が紐解いていきます。
この作品では不器用ながらも我が子を思い、真剣にもがく親の姿がありました。加賀刑事が明らかにした、麒麟の像の謎を知ると、深く強い愛情に、きっとあなたも涙することでしょう。
7位 祈りも幕が下りる時 【加賀恭一郎シリーズ10作目】
加賀恭一郎シリーズの、1つの区切りとなる作品です。
東京のあるアパートで、女性の腐乱死体が発見されました。そしてその部屋のカレンダーに、ひと月に1つづつ書き込まれた日本橋を中心とした橋の名前。
しかしその名前は、実は加賀の母の遺品の中にあったメモと一致していたのです。その事実を知った恭一郎は、事件の真相と亡き母の事実を知るため奔走します。
『人は極限まで追い詰められた時、何を思うのか?』この作品は、推理小説としてではなく、この本の中に描かれた登場人物たちの、魂に触れた感覚になる異質な作品でした。
読後は慟哭が聴こえてきてもおかしくない過酷な内容だったのに、私の耳には何も聞こえてきませんでした。
皆が皆、死をも意識しなければならない、絶望的な状況に、懸命にもがき生き抜いたからこそ『静か全てを受入れることができた』のだと思います。
願わくば『祈りの幕が下りた後』彼らに流れる時が、静かで温かい事を願わずにはいられませんでした。
東野圭吾さんの作品は、社会性が強く重い作品も多いので、ぜひ推理も楽しめ、読後感の保証もするこの作品を、ゆるりと楽しんでみてください。
8位 時生
読み応えあるミステリー小説です。主人公 宮本拓実の息子時生は、遺伝子病を発病し今まさに死の淵を彷徨っていました。そんな時拓実の妻は「時生は生まれてきて幸福だったのかしら、生んだ私たちを恨んではいないのかしら」と悲嘆にくれていました。しかしそんな妻に、拓実は23歳の時に出会った、不思議な青年の話を語り始めるのでした・・・。
よかった!本当に面白かった!というのが読後の素直な感想でした。
読み始めた時は、もし子供を授かれば4分の1という高確率で遺伝病になり、長くは生きられないと分かっているのに、何故子供を作ることを選択したのか?という点に、同じ親として激しい苛立ちを感じ、本を投げ飛ばしそうになりました。
しかし、その気持ちはページをめくるごとに消え、清々しいものへと変貌を遂げてくれました。
若き日の拓実と出逢った青年、そして肉体を超えた魂、ぜひ時生の生きざまを感じてください。
9位 浪花少年探偵団
コミカルで痛快な推理小説です。大阪にある小学校の、6年生を受け持つ、竹内しのぶ。しかしある日、クラスの生徒の父親が殺害されてしまいます。しのぶは複雑な家庭環境だった生徒を、放っておくことが出来ずに、何とか力になろうと奔走するのでした。
5話の短編で構成された物語は、どの話も生徒や三枚目のイケメン刑事としのぶの、息の合った掛け合い漫才に、声を出して笑ってしまいました。
ドタバタコメディの中でも、ちゃんとしのぶセンセは生徒を思いやりつつ、事件を解決へと導いてくれます。
東野圭吾さんは好きだけど、もうちょっと軽いのがよみたいなー、ちょっと一息つきたいな~と感じている方に超おすすめなので、ぜひいつもとは違う東野圭吾を味わってみてくさい!
10位 悪意 【加賀恭一郎シリーズ4作目】
独特の切り口が光る、人気の加賀恭一郎シリーズ4作品目です。
人気ベストセラー作家の日高邦彦が自宅で殺害されていました。その後加賀刑事の慧眼によって、まもなく犯人がつかまりますが、加賀は犯人の語る動機に疑問を持ち、独自に捜査をはじめます。
この小説は加賀刑事の記録と、もう一人の人物の手記が交互に展開する、変わった構成で描かれています。
そして読み進めていくうちに、巧妙に仕掛けられた犯人の罠によって、何が真実で何が嘘なのか、どんどんわからなくなっていきます。
加賀の粘り強く綿密な捜査の結果、真実が明らかにされるとき、はじめてタイトルである『悪意』の意味を再確認させられることになりました。
推理小説の中でも普通のものには飽きた!!という方に、ぜひおすすめしたい1作です。
東野圭吾おすすめランキング 11位~20位
11位 殺人の門
殺人とは何かを問い続ける長編小説です。
裕福だった和幸の家庭は、祖母の死をきっかけに崩壊してしまいます。貧困にあえぐ中、それでも地道に生きていこうとする和幸の前に、倉持修はことあるごとに現れ和幸を『負』へと誘っていきます。
何度も何度も倉持にひどい目あわされるのに、それでも倉持を完全に拒絶することのできない和幸が、私は不思議でしょうがありませんでした。
そして読み進める中、2人の間にある奇妙な絆と、和幸の膨れ上がる殺意が最後にはどう決着をつけるのかが、気になり長編ながら一気に読破してしまいました。
情報社会で人間関係がより複雑になり、友情が絵空事のように見える「今」において、『人が人を殺すということ』がどういう事なのかを、深く考えさせられました。
長編を長編とは思わせない、東野圭吾ならではの珠玉の作品です。
12位 夢幻花
謎が謎を呼ぶミステリー小説です。
秋山梨乃は祖父の家で、今はしおれてしまっているが今朝咲いたという、今まで見たことのない黄色い花の写真を目にします。
しかし、その後祖父は殺され、梨乃の周りでも奇妙な出来事が起こり始めます。そして梨乃はひょんなことから知り合った蒼太と共に、祖父の死と関係があると思われる正体不明の黄色い花について調べ始めるのでした。
意味深な2つのプロローグを経て本編が始まります。幻といわれる黄色い謎の花に主人公だけでなく、読者の私も翻弄されてしまいました。
バトンのように中心人物が変わりつつ、謎が増えていきますが、最後には全てを回収する力量は圧巻の一言です。
読み終わった後に、全ての謎が解け爽快感すら感じられる作品です。
13位 人魚の眠る家
人の死とは何かを問う問題作です。
播磨和昌と薫子は、娘の瑞穂の小学校受験後に離婚することを決めていました。そんな折、瑞穂がプールで溺れてしまい、医師によって脳死の可能性を示唆されてしまいます。
そんな状況で、播磨夫婦は瑞穂の臓器提供の有無を問われ、一旦は承諾していた薫子でしたが、土壇場で激しく拒否をするのでした。
脳死している娘を「ただ眠って目覚めないだけ」と言い張る薫子が、ただただ哀れでなりませんでした。
臓器提供の必要性を理解しつつ、それでも狂ってでも、娘を守り抜きたい、まだ娘は生きていると信じたいと願う、狂気にも近い薫子の母としての姿に、終盤は流れ落ちる涙を止められませんでした。
親であるということ、死とは何か、そんなことをじっくりと考えるきっかけになる本です。
14位 ブルータスの心臓
藤原達也主演で映像化もされた、有名な作品です。
自分の力だけを信じ、努力をしてきた末永卓也。その努力の甲斐あって、末永は人工知能ロボット開発の若きエースとして、会社創業一族の娘婿候補にまで登りつめます。
しかしその直後、遊び相手が妊娠したため、卓也は子供の父親の可能性のある者らと、共謀し遊び相手の殺害を目論みるのでした‥。
自分の邪魔になるものは、躊躇なく殺す。切り捨てる。という卓也の倫理観や、無知で無能な人間よりも、ロボットの方がはるかに存在価値があると考える思考に、うすら寒いものを感じずにはいられませんでした。
完璧に見えた犯罪計画が、ありえないことで破綻していき、卓也が破滅への道を突き進んでいく様は目を見張りました。
最後の最後までわからない謎に、きっとあなたも感服させられるはずです。
15位 赤い指 【加賀恭一郎シリーズ7作目】
人気の加賀恭一郎シリーズの7作目であり、加賀の推理だけでは終わらない一風変わった作品です。
住宅街の平凡な小さな公園の公衆トイレで、少女の遺体が発見されました。加賀はすぐに平凡な家族に目を向けますが、「刑事というのは、ただ真相を解明すればいいというものではない。いつ解明するか。どのように解明するかがとても大切なんだ」と言い、なかなか動こうとはしませんでした。
一般的な推理小説とは一線を画し、何故加賀はこんな言葉を残したのか?何故真相解明だけでは足りないのか?に気づいた時、胸が締め付けられました。
普通の、当り前の、ごく一般的な、そんな家族に起こった出来事に、真綿で締められるような恐怖と、人ごとだけでは済まされないような切迫感を感じてしまいました。
人の弱さ、脆さ、そしてそれでも最後に残った尊いものをあなたの目で確かめてください。
16位 しのぶセンセにサヨナラ 【浪花少年探偵団2作目】
コミカルな推理小説です。
ある会社の4階の窓から社員が転落しました。自殺か他殺か両面で捜査が始まりますが、どちらもなぜかしっくりこないという微妙なことに。そんな中、好奇心が抑えられず、しのぶはまた捜査に乗り出すことになります。
浪花少年探偵団の続編となり、当時の生徒は中学生へ、そしてしのぶは内地留学のため勉強中で教壇をはなれています。
前作とは少し異なり、しのぶセンセが教壇を離れているせいか、ブルドーザーのように突き進む印象が薄れてしまったのが残念でした。また内地留学を終え、やっと教壇に戻ったのに、3作目になる続編が、今だに出版されていないのも残念です。ぜひ、またあのパワフルすぎるしのぶセンセと生徒たちに会えることを願っています。
17位 卒業 【加賀恭一郎シリーズの1作目】
青春ミステリー小説であり、伝説のシリーズの始まりでもあります。
大学卒業を目前に控えた加賀恭一郎。彼の高校時代からの友人の1人が、女子学生専用アパートの自室で死体で発見され、その現場が完全な密室だったことから『自殺』と判断されてしまいました。
しかし、その後またもや、友人の一人が奇妙な死を遂げたことから、恭一郎は2つの事件には繋がりがあると考え、真相究明に乗り出します。
東野圭吾の作品の中でもトップに入る加賀恭一郎シリーズの1作目であり、まだ刑事になる前、大学生の恭一郎が描かれています。
『麒麟の翼』や『赤い指』などで見せる、ものすごい粘りや強靭な精神力、卓越した観察眼などにはまだ磨きがかかっておらず、素の恭一郎がそこにいました。
そして長い間、仲間として過ごしてきた者たちを、疑わざる得ない状況に『真実の意味とは』『価値ある嘘とは』に苦悩し、それでも『真実』を選んだ恭一郎に、未来の片鱗をみることができました。
敏腕慶事になる前の、初々しい恭一郎の姿は必見です。
18位 パラレルワールド・ラブストーリー
恐怖が見え隠れする推理小説です。
主人公 敦賀崇史は通学途中に会う女性に心惹かれますが、親友の恋人だと知り、深く失望してしまいます。ところがある朝目覚めると、彼女の恋人は自分で、そして同棲までしているのでした。崇史は現実と記憶のずれに混乱し、謎を究明していくことになります。
『パラレルワールド・ラブストーリー』という、ファンタジックな題名にワクワクして読み進めましたが、まさかのファンタジーとはかけ離れた背筋が寒くなるホラー要素満載の小説でした。
自分自身の存在を証明するものは、記憶にほかなりません。しかしその記憶が自分で信じられなくなるとどうなるのか?
ぜひ時間のある時にゆっくりと読むことをおすすめします。読後彼らの取った行動を吟味し、自分ならどうしたかをぜひじっくりと考えてみてください。
19位 私が彼を殺した 【加賀恭一郎シリーズの5作目】
加賀恭一郎シリーズ5作目の本格ミステリー小説です。
神林貴弘と妹 美和子は、両親の死後別々の親せきに預けられ成長します。しかし15年後2人は生家に戻り同居を始めます。
その後美和子は、穂高誠と結婚することになるのですが、彼は結婚式当日に毒殺されてしまいます。
たった3人に絞られた容疑者から、自分なりに推理するのは楽しく、ラストまで犯人がわからない展開に驚かされました。ついすぐに2度目を読み、見落としていた伏線や、読み飛ばしてしまっていた時系列をもう一度反復したくなるような、緻密で圧巻の謎が用意されています。
ぜひ本格的な推理小説を探している方、骨のあるものが読みたい方におすすめしたい作品です。
20位 ラプラスの魔女
なんとも不可思議なサスペンスミステリーです。
ある小さな温泉街で中毒死事故が起きます。学術的には到底理解できないような現象に疑問を持ち、学者である青江は調査に乗り出します。そんな中、円華と名乗る少女と出会い、彼女の持つ不思議な能力に困惑しつつも青江は協力することになるのでした。
読み進めるごとに、自分自身が摩訶不思議な世界に迷い込んだかのような、錯覚を覚えることになります。
『ラプラスの魔女』といわれる、円華が秘める力とは?そして『ラプラスの魔女』となってしまった彼女が、これからどう生きていくのか?
踏み込んだが最後、迷宮のように囚われてしまう不可思議な世界へ、ぜひあなたも誘われてください。
残念ながら選外だった作品
ここからは、私自身が読んで納得できなかった作品を、ランキングには敢えて載せず、選外としてお届けしていきます。
カッコウの卵は誰のもの
美しい雪景色を舞台にしたサスペンスミステリーです。
元五輪選手でトップスキーヤーだった緋田宏昌。彼は妻の死後、愛娘は自分の子ではないと知ってしまいますが、それでも彼女に深い愛情を注ぎ、自分の持てる全ての技術を叩きこんでいきます。
しかし大きな大会直前に、娘に一通の脅迫状が届いてしまいその後、緋田は娘を守るため、避けてきた娘の出生の秘密を探ることになります。
緋田の娘に対する少しも変わらない愛情に心を温められつつ、犯人の動機に私はどうしても納得ができませんでした。
不器用だけど温かい緋田に大いに共感したからこそ、結末に納得できず消化不良になってしまったため、本作は選外としました。
変身
狂気に満ちたミステリー小説です。成瀬純一は、強盗から幼い少女を庇い、頭に銃弾を受けてしまいます。そんな彼を救うため、世界初の人体間による『脳移植手術』が行われました。
世紀の手術は見事成功し、肉体は順調に回復するのですが、それとは裏腹に純一には精神的な変調が現れ始めます。
この小説は玉木宏主演また神木隆之介主演で映画化され、大きな注目を集めた作品でもあります。
映画の触れ込みが『感動のラブストーリー』となっていたため、ワクワクしながら読み進めましたが、読後は何とも言えない暗澹たる気分に浸ることになりました。
少しずつ壊れていく成瀬の精神が、ミステリーやサスペンスを超え、ホラーとしか表現できないほど生々しく、おぞましかったため、私は作品を飲み込み切れませんでした。
そして、成瀬自身や成瀬の彼女である恵が、とても哀しくてたまらず、どうしてもランキングに入れることはできませんでした。
この本の評価は、おそらく読者によってかなり別れることになると思いますが、もしこのレビューを読んだ方がいたら『どう感じたのか?』を、一番聞いてみたい作品でもあります。
11文字の殺人
凡庸なサスペンス小説です。
女流推理作家の主人公が、編集者と共に恋人の死の真相を探っていきます。しかし、彼女らの先回りをするかのように、死んだ恋人の関係者が次々に犯人の毒牙にかかってしまいます。
モノローグに描かれていた『無人島より殺いをこめて』というまさに11文字のメッセージにドキドキさせられながら読み進めていきました。
しかし東野圭吾さんの作品でも初期のものだからでしょうか、他の作品に比べかなり早い段階で犯人の目星がついてしまいました・・・。
初期の作品なので仕方ないとは思いつつも、今一歩サスペンスや人間ドラマとして楽しむことが出来なかっため、今回は選外とさせていただきました。
まとめ~やっぱりミステリーといったら外せない天才~
東野圭吾さんの作品は、何度読んでも最後に驚かされたり、人間ドラマの深さに胸が締め付けられたり、1冊の本から多くの感情が引き出すエンターテイメントが詰まっています。
多くの作品が映像化されていますが、やっぱり原作はもっと緻密で繊細で、そしてグッと惹きこまれる魔力があります!
ぜひまだ小説は手を出したことない!という人はランキング上位の作品から読んでみてください!最高の読書タイムと、スリリングな体験をお約束いたします。そして、このランキングから少しでも、東野圭吾さんへの愛が伝わればいいな!と思っています!
余談
実は多分、東野圭吾ファンからしたら『おい!!ガリレオシリーズが1つも入ってないぞ!!』といわれてしまいそうなんですが、ごめんなさい!!
ガリレオシリーズはあまりにドラマが好きすぎて、イメージを壊したくなく、一度も手を付けられていないんです。。(ドラマは全話録画して、何度も見ましたし、容疑者Xの献身・真夏の方程式はそれぞれ夫婦で3回映画館に行き、当然DVDも予約して買いました!)なので勇気を出して、読んだらまたぜひランキングに加えたいと思います!!
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